未来予想図

大企業に就職を考えている人はよーく読むように!


 昨日の一件でいろいろ考えた。同時に関係者と相談して対策を練った。

まず、
 自分自身としては微妙な立場だったことも確かなんだが、ここは外的要因を理由にする方が説得力があるのでそういうことにする。
 で、「協力が得られない」の内容。

きた、きた、きた、きやがった! これだよ問題は。(密かにこれを探りたかったんだよ!)
 転勤である。10月に役員改選があって1年足らずってことは、2001年4月1日付で異動なんである。

 これも時期こそ確定していなかったが薄々はわかっていたこと。当初から「次は現場」という前提でここに来たのだ。
 しかしわし自身納得している人事ではない。わしゃ転勤なんかしたかない。いつどこに飛ぶかわからん状態では人生設計なんかできたもんじゃない。職種には拘るつもりはないが、引っ越しを伴うのはデメリットが多すぎる。生活基盤からいちいち作り直さなきゃならんのである。家庭生活や趣味が楽しめない人生に意味があるものか。
しかし、そもそもそういう条件で入社している。こんなこと真っ向から言える立場ではない。

 もひとつ。わしゃ今の部署嫌い。社内でもゴミ溜めみたいな未来の欠片もない部署なんである。ここだって希望してきたわけじゃない。ただ、たしかにここにはなかなか見えないヤバイ情報が多くて、勉強にはなる。そういう勉強としてだからこそ、文句言わずにここで働いてるんである。

 次は現場見ろってことだ。が、ここの現場は腐りきっている。勉強にはなるかもしれんが、ここの現場を経験してしまうと、勉強以上に足かせの面が強くなるのが見え見えだ。スジも理屈も通らないような現場で顔を覚えられてしまったら、その後まともなビジネスなんかできないだろう。
まともなことやろうとすると、そのわしの顔を覚えた奴らが地底のゾンビのように足を引っ張るはずだ。
 わしは、わかっててそうなりに行かなければならないのか。

 組合に残ることを希望すれば、これが避けられる可能性がある。一度3役になってしまえば、そうそうは引っ越しを伴う異動はさせられなくなるので、仮に異動するとすれば本社内他部署となる。すると、この忌まわしき国内原料部門から足を洗うことができるのだ。

 はっきり言って、これには惹かれた。一石二鳥じゃん。でも、このためにはわしのはっきりした希望が不可欠になる。希望してまで役員になったってことになると、今後永久に「組合活動なんかに力入れてる奴」というレッテルがつきまとうことになる。これは宗教にはまったのと同じくらい人生にとってよろしくない状況だ。となると、結局これも避けたい。

 国内原料部門から足を洗うには、もう一つ方法がある。声を大にしてやたらに他部署を希望するのだ。
が、自信を持って希望できるほど魅力的な他部署も、無い。面白さ加減は未知数だが、おしなべて国内原料部門より忙しそうである。これでは目先の得が少な過ぎる。そしてうまいこと異動した挙句、つまんなかった or 「希望してきた割には使えねー奴」とかいわれるのも勘弁だ。

 いろいろ関係者と調整していると、ちょっとヤバイ情報が入った。遠からず我が社も事業部制になり、本体は持株会社化するという話である(こういうネタが入るから本社/組合って面白いんだよね)。これが意味するところは、

今、国内原料から逃げ出さないと、永久に逃げられなくなりまーす。

 そらそうだ。人事システムもなにもかも事業部に移るから、事業部を越えての異動は非常に稀なケースになる。
 それでも、「声を大にして」とか「組合を利用して」他部門に移るほど、他部門も魅力的ではない。所詮、わしの仕事は趣味じゃない。必要以上の苦労をしないで、飯喰って、多少遊べる金が稼げればいい。忙しい部署なんか論外だ。

 もう一つ、国内原料から抜けにくい要因がある。1997年にわしが入社して以来、この部門には新人が入っていないんである。自分で言うのもナンだが、国内原料部門の将来(最期)を背負うためにここに引っ張られてきたのが、あからさまにわかるんである。そして、既に3年が経ち、ここで「こんなとこ嫌だから、はいさようなら」なんて言える状況ではない。もちろん、他部門に魅力がないせいもある。

どこからともなく、
「じゃあ、そんな会社やめちゃえばいいじゃん」

てな声が聞こえる。それも当然考えた。

「じゃ、わし、どこへ行けばいいの?」

 会社ごと変わるって事は、部署を変わるよりずっと大変なことだ。どういう仕事になるか、他部署よりさらに見えない。
 そもそもこの会社にもメリットはある。だから、入った。
それは、なんといっても福利厚生と景気による変動の少なさ。将来性に関しては、ここんところ株が下がりっぱなしだが。
これが安定的にあるんである。
 保養所や社宅なんかは今更流行んないけど、それも含めてべらぼうに良い条件で生活できる。東京近辺に、11000円余りの家賃で、駅に近い3DKに住んで、車もバイクも屋根の下にタダで置いている。
一度体験してしまうと、早々抜け出せるものではない。

 そんなこんなで総合勘案すると、甘んじて4.1で飛ぶことに応ずるのが、わしの現在の最善策となりそうだ。

 そんなこともあろうかと思って、以前からずっと、ことあるごとに上司のいる酒の席では、

「飛ぶなら熊本が良いです!!!!!」

っていう複線を張ってきたのだ。
 熊本は現場でもコアなロケーションだから、わしの飛ばし先としては十分アリなところだとは思う。
そして、なんといっても、かみさんの実家がある。熊本でなら安心して子供が作れる。
希望が通るかどうかは知らんけどね。

これに関しての続報は、当分、待て。

ITOH Osamu/ Sachi/ Guest Book/ 036@itoh.gentei.org