GO WEST

ふと思い立って、一泊で足を伸ばしてみることにした。
テントをパニアにぶち込んで出発。
目指すは九州最西端、「神埼鼻」。

ここんところの20で、あまりにも風が当たらなくて暑いので、出掛けに秘蔵のショートスクリーンに付け替えた。
これで、ロングスクリーンだと目より上にしか当たらない風が、肩くらいまでは当たるようになる。

えびのループ橋

距離が長いので、国道中心のルート設定。
ここは平行する九州自動車道がトンネルばかりで、対面通行なので、国道に大型車が沢山いる。
というわけで、ループ橋としては楽しむべきも無く、ただ高いところにあるだらだら曲がった道。
つまらん。

人吉ループ橋

えびのループ橋で稼いだ高度をどう償却するかってと、反対側にもあるんだなこれが。
こっちのほうが橋としては美しいかも。

R3

mapfanのルート設定機能をそのまんま採用した区間が多いのだが、やっぱり20マップルと照らし合わせて吟味しないとダメだね。
海側の3桁県道を走るべきだった。
しかし暑い。煮える。

熊本-島原オーシャンアロー

14:40頃熊本港に着くと、駐車場の整理係員が、

「島原行きですか?次は14:50発ですが、乗りますか?」

という。ギリギリだけど乗れるんすか?
丁寧に窓口とか教えてくれ、滞り無く乗船手続きをし、そのまま船へ。
制服も明るいアロハシャツみたいので、係員みんな丁寧で感じが良く、船も綺麗で速い!
速すぎて船内でくつろげなかった。遅い昼飯代わりに売店のサンドイッチをかじっただけ。

島原

雲仙岳をぐるっと回る海沿いの道を北上。混んでてうざい。
しまった、山側に広域農道が平行してた。と、後で気付いた。

寿古珈琲

なんと、国産のコーヒーがあるらしい。20マップルに載ってた。
行って見た。スコーコーヒーパークというところ。
一見、しょぼいレストランが併設されていて、中でそれを飲めるようなので早速ご注文。


古伊万里の蓋付きカップで来た。
漏れなくポストカード付いてます。

柄は、コーヒーを持ち込んだという噂のシーボルトと初めてコーヒー飲んだという何とかという女性、コーヒーを広めたという遠山金四郎の父、遠山佐衛門尉だとか。
気になるお味は、スッキリしてます。あっさりしてます。上品な味です。一杯1000円。高い。
後味でふわっと酸味が来るけど、酸味をこんなにさわやかに感じたのは初めてだなあ。でも高いって。

気に入ったのでお土産に買ってみた。
また飲みに来るとは思わんけど。東京から仙台にコーヒー飲みに行くようなもんだし。

ランデブー

ハウステンボス方面に向かう海岸沿いの道。
2台の車をパスして気持ち良く流していたら、一台のパニア付きビジュアル系VFRとすれ違った。
彼は黒いサングラス越しに、

「ハァ〜イ」

と言った(様に感じた)。
なんか、一緒に走りたそうに見えたので、待つことにした。

やがて、彼がビジュアル機能を起動させて遥か後方のコーナーを立ち上がって来るのがミラーに写った。
彼はわしと千鳥編隊でしばらくの間日の傾きかけた大村湾岸をのんびりと走った。
わしは海岸の風景を堪能した。

やがて、彼がUターンをして南を目指してゆくのがミラーに写った。
さよなら、楽しかったよ。

佐世保

軍港の町。
横須賀みたいな雰囲気を想像してたけど、だいぶ違った。
古い、巨大な赤レンガ倉庫が立ち並び、その隙間から冷たいねずみ色の護衛艦のブリッジが見える。とてもアンバランスな光景。
ドッグに船が入って水が抜かれていたり、そんなのが道から良く見えた。おびただしい数のクレーンが港中に建ち並んでいる。
すげー、独特。

佐世保から神埼鼻は大した距離ではない。小さな町をいくつか通り過ぎていく。
この一帯、なんか街中が黄昏ている感じ。決して暗い雰囲気ではないんだけど、妙に落ちついた、かすかに寂しげなような、全てを悟ったような、不思議な雰囲気に包まれていた。
ちょうど良い感じに夕暮れになってきているせいもあるが、カトリックの根付いた街の独特の匂いなのかな。

最後の夕日

明るいうちにテントを設営しないと大変なことになるので、まずはキャンプ場を目指した。
うまく見つけられずに、頂上の冷水岳公園というところに着いた。もしかしてここなのかな?
芝生広場という方向へ歩いていくと、途中の崖っぷちで一人のおっさんが写真を撮っていた。
ちょうど、日が沈むところらしい。


本土で最後に見える夕日。19:30
海に飛び出しているのが神埼鼻、海の向こうに見えている山並は平戸島。
海に沈むのが見れるわけではないのだ。

絶妙のタイミングでここへ来たみたいだ。
おっさんは言う。

「こんなに綺麗に見えることは滅多に無い」

それにしても綺麗じゃった。
こゆときに日頃の行いがものを言うのだ。
さて、日没を拝んじゃったってことは、テント張る前に日が暮れたってことだぞ。

キャンプ失敗

日没から完全に暗くなる前に何とか手を打たねばやばい。
目標のキャンプ場?に着くと?

管理棟らしきものも完全に閉まってる

廃墟ではないようだが、最近開いた形跡すらない。
便所も水場も発見できない。
自動販売機が1台だけ稼動している。
20マップルには7月〜8月、200円と書いてあるが、やってて夏休み期間だけなのかもしれない。
問い合わせようにも問い合わせ先が町役場じゃあ、土曜日の20:00頃に繋がる訳が無い。諦め。
まあ、200円浮いたな。

今更別のサイトに移動できる時間も無いので、それでもテントサイトらしいところを見つけて入っていくと、

ぬちゃっ

げーぬかるみかよー。
九州北部は昨日当たりまでは雨だったはずだが、今日一日これだけ晴れてこの状態じゃ、相当水はけが悪いようだ。
草も伸び放題で、とてもここにテントは張れん。

誰もいない駐車場?に移動して、そこにテントを広げた。
街灯も無いが、自販機の明かりが多少届くので完全に真っ暗にはならないで済みそうだ。

テントは張ったが、虫が多いので荷物の搬入とか手際よくやらないと後で地獄を見るね。
バイクのヘッドライトを落とし、ヘッ電を使おうとパニアを漁るが、

ヘッ電が無い

まじかよー、まじかよー。朝電池入れ替えて、その時パニアに入れ忘れた?
万事休ス。
ここでまだテント張る前だったら、佐世保市内まで移動してビジネスホテルでも探すところだったが、この状態じゃ撤収もできない。
辛うじて、いつものケツバッグに単4一本のチビマグライトが常備されていた。これだけで何とかしなくちゃ。

飯を喰いに行こうにも、麓にコンビニすら見当たらなかったしなあ。
それほど空腹でもないので、目の前の自販機のコーラでカロリーを補給して、あとはフテ寝することにした。
もう20:00過ぎだし、4:00頃には明るくなってくるだろうし、寝るのに早すぎるってことは無いじゃろ。

風が無くてテント内は暑い。パンツ一丁で銀マットにひっくり返る。
コーラの水分がそのまま汗になって流れ落ちていく。えーい、出るもんはとっとと出やがれ。

蚊が一匹入った臭い。畜生、こんなところで格闘しても勝ち目無いし、余計暑い。
満腹にしておとなしくさせるしかないか。
蚊取り線香も積み忘れているし。

んー二匹目が入ってる?

ラジオを持って来ていた。せめてこれで嫌な羽音を聞かずに済む。
しかし1局しか入らないぞ。あと韓国語のが良く入るなあ・・・

本日の成果

ITOH Osamu/ Sachi/ Guest Book/ 036@itoh.gentei.org