なんとなく天草

朝起きた。タイタニックのシーンがまだ頭に残ってる。うーん、なるほどすごい話だったなあ。
ところで雨降ってやがるよ。どうしよう。

とりあえず天草

帰りは時間制限もないし、朝から動けることで土曜日よりは倍くらい走行時間は稼げる。とりあえず天草まで足を伸ばしてみることにした。

天草五橋。なんか有名だけど、どってことない。1番目のやつはなんとなく海を越える様がいい感じだけど、あとはただの橋だなあ。左に見える八代海は穏やかで、良い雰囲気。海沿いの道はすぐ飽きるんだけど、今日は珍しく飽きずに走り続けた。

突如、YAMAHAの工場が出現。こんなところにあったのか。ボートの工場のようだけど。


FRP成型の雌型が並んでる。

おおーこういうのを使うのか。くるっと回転して型を抜けるようになってる。こうしてみるとほとんど手作業に近い作り方してるということがわかるね。わしもやってみたいぞ。

長島へ

天草から鹿児島の西に生えている長島に渡るフェリーがある。下島の先っちょの牛深からでるやつと、下島の根元に近い中田からでるやつがある。牛深まで行くと結構時間がかかりそうなので、中田で出発時刻を見て、待たされるようなら牛深まで行くことにしよう。中田発のほうが便が少ない。

中田港につくと、小さい遊覧船見たいのが沖から近づいてきた。もしかしてあれかな?
売店小屋みたいなところで時刻を聞くと、12:10だと。おい、もう12:03ではないか。ナイスタイミング?でも船がいないよ。
そうこうしていると、小さい遊覧船が接岸した。ほんとにあれらしい。


ちっちゃーい!

開閉するようなゲートもなくて、接岸した途端に軽トラが一台降りて来た。すぐに係に手招きされる。あれえらく簡単に乗れるもんだね。
その時、

つるり。スッテン!

濡れた車両甲板で滑ってこけた。
あーあーあー。パニアの角が潰れたぞ。あーあーあー。

乗船したのはバイクが1台と車が2台くらい。バイクを固定してもらうと、

車止めだけ

おいおい、だいじょぶかあ?
一応エンジン下にも何ぞ挟んで右には倒れないようにしてるみたいだけど。こんなもんかね。フェリーというより、渡し舟だね。(おんなじか)
などと考えながら、客室に上がろうとしたときにはもう出航してた。はええ。本当に定刻に出航しやがった。

左のパニアは結構傷ついたなあ。4月に密かにすり抜けでガードレールに擦り付けて一本太いのが入ってるし。よく考えるとバイクは修理できるけど純正パニアはもう二度と手に入らない貴重品なんだよなあ。
まあ機能的に損なわれたわけじゃないし、傷の一つ一つも旅の思い出かね。
最近ようやくそんな気になれるようになった。

船は向きも変えずに入港した時と反対向きのまま進んでゆく。客室の座席も後ろ向きのまま。
もしやと思って船の構造図を見たら、前後にスクリューがある前後対称の構造。なるほど。で330総トンしかない。ちっちゃー。

うろこ亭

長島に渡って20kmほど。九州本土に渡る黒之瀬戸のところにある食事処。高いかもと、ドキドキしながら入ったが、刺身定食1150円と内容の割には安め。ここは美味かった。


また来ても良い。

湯之尾温泉

東に40kmほど進んだ菱刈町(ひしかりちょう)にある温泉。この辺まで来るとどこいっても温泉だらけ。その中でマイナーな湯之尾温泉に寄ったのには訳がある。

ここも鉱山なのね。住友鉱山の菱刈金山という、世界一の品位を誇る金鉱山があるのだ。M2の夏にここも地底400m潜った。その時、ここから沸いている温泉を温泉街に供給してるという話を聞いたのだ。
これもウラがあって、抗排水として出せばべらぼうなコストをかけて廃水処理しなければならないところを、一部温泉として供給することでニヒヒ。
20マップルを見ると、「町営温泉浴場80円」と書いてある。行くしかないでしょ。

温泉街の入り口に看板が。


!!!

じょ、女王様?!


くどいって。

ところで温泉街には、町営のはなさそう。物産館みたいなところで道を尋ねると、

「そこを右に出て、道なりに行って、窪んだ所の左側。空き地の前」

はいありがと。何にも買わなくて申し訳ないすね。
町営温泉は150円になってた。風呂はお湯を溜めただけのシンプルそのものだが、かえって欲を出さずにじっくり楽しめる。ふーいい湯じゃ。

風呂から上がると、受付のおっさんが外に出てタバコ吸ってた。
わしも靴を履きながら一服、話に付き合う。
なにしろこんな感じで話し込むことが多い。話しかけやすいんだろうなわしって。ソロだし、アウトローっぽさはない(つもり)し。そこにむやみにでかいバイクに川崎ナンバーってだけで、向こうとしてはネタ十分。実は宮崎からなんですよなんて言いながら身の上話と旅談義に花が咲く。しかし鹿児島よりの宮崎弁にはだいぶ慣れたわしだけど激しい鹿児島弁はわからんぞい。

おっさんの話から、さっきの道案内のなぞが解けた。もともと温泉街はここにあったが、地盤沈下してしまい、温泉街丸ごと移転してしまったので今は空き地なんだという。なるほど。^^;

そうこうしているうちに、次々と風呂から上がってくる町の爺さん婆さんが話の輪に加わり、あっという間に大きな井戸端会議の中心になってしまった。:-)
それではそろそろ行きます。雨の夜は路面が光って見えなくなるので・・・

大勢の老人に見送られて温泉を後にした。いとおかし。

もう日も暮れてきたし、寄り道しないでつまらないR268で帰りましょう。
今回もなかなか濃い旅であった。

本日の成果

ITOH Osamu/ Sachi/ Guest Book/ 036@itoh.gentei.org