このページはこんだら号(YZF-R1)について語る自己満足ページである。
さそりの次、一体どれにするべきか。 これはかなり悩んだ。順当な流れであれば、強烈に変身した 2000年 FireBladeであろう。なんと言っても170kgは軽い。さらにツーリ ングを愛する私としてはFireBladeのリアトランクはどんなツアラーバ イクよりもはるかに便利な設計で一度利用したら離れられない魅力である。
が、FireBladeに食指が動かないいくつかの要因があった。
大型二輪免許教習所解禁で大勢が乗れるようになったのは良いが、
どうみてもちゃらんぽらん(死語?)が乗りすぎ。走りを真面目に(と言って
あげよう)求めている小僧ならまだ百歩譲れるとしても、ストリート系の
お洒落で乗ってるだけの、チャラチャラした毛の生えたMA-1を来たぼくちゃ
んとかが乗ってるのを見るとあまりに情けない思いが。1998年モデルに乗っ
ているチャラ男君を非常に良く見掛ける。
(選んだバイクからすると結果としてこの理由は意味がなかった ^^;)
もう一つは知合いがぞくぞくとFireBlade2000を選んだので なんとなく気持が萎えた。
気がつけば二台目のVTZからずっ とホンダだったのでそろそろ違うのにしたい。
出たばかりで人気殺到。1999年モデルから2000年モデルへの変更が 猛烈に大きかったのもあってこの高値は続きそう。
ということで、各社(って日本車だけね)2000年モデルを調査。最初に猛烈に 訴えかけてきたマシンはGSX-R750であった。なんとびっくり、
乾燥重量 166kg!
すげー! バケモンだ。以前乗ってたVFR400Rとほとんど一緒やん。軽さこそ
力。で、ぐぐっと引かれたのだが、いざ調査してみると日本上陸が他車に比べて
遅いせいで「品薄&高価」のダブルパンチ。色々な店を当たったが、やはり
予算オーバーの価格だったし、安くなるのを待っていたらさそりの車検も来ちゃうし………
今回は縁がなかったということでお別れ。となると、急に浮上して来る
R1。これだけ売れているのに
genteiな人達が誰も乗っていないとい
うのもポイント高い。それはなぜか…
えんぺらのせい ^^;?
2000年5月7日。よっしゃ、清水の舞台からいてまえの気持で注文だ。 雑誌を見た限りで一番安い店アルテミス に注文に必要な内金を聞いてみた。なんとびっくり全額の50%が必要(*_*)。 そんなの出せない以前に信用できん。アルテミスがそうって訳じゃないが、 さそりを買った「イーストトレーディング」は予約金だけたっぷり集めて トンズラこいたという事件を起こした店であった。わしはぎりぎり逃げる直前に バイクを手に入れたので助かったのだが、警戒心上がりまくり。てことで すまんがオサラバ。
探した中で二番目に安かったモータースクープに電話をしてみると あらゆる条件が良心的。うむ、ここにしやう。1999年モデルも見付けてくれた。 おちーぷ。決め。
認め印だけあればいいというのだが、一応手付金くらいは入れたいと思って 少しだけお金を下ろしてから店に向かった。あー、そういえば、 さそりを買うときには 銀行にキャッシュカードを忘れちゃったっけなあ〜、と、考えていたら、 今日もキャッシュカードを取って来た記憶がない…
どっきーん!
慌ててバイクを寄せて確認。あった…。いかん動揺している。むーう
うおー、印鑑忘れたー!
どひゃ、動揺しまくり。慌てて家の近くの100円ショップダイソーに 戻って印鑑を買った。ふう。ようやく落ち着いてR4を北上。結構遠いぞ。 もうちょいで店に到着。なぬっ
バイク屋の隣が100円ショップダイソー
だった。がっくし。
さてさて、実際に店に行って契約完了。あっさり。あっさりすぎる。実感湧かず。 実車に触ってもいないのに手続き終わってる感じ。契約書書いてるとなりで ほかのひとの赤R1がオイル交換中。跨らせてもらおっかなって思ったけど、ちょ うどオイルをポタポタしてるときだったから諦め。てことで、サインする以外 なーんもなし(あ、トイレ貸してもろた)で帰ってきてしまった。
2000年5月20日。気持ち良く納車、のはずが悲しいことに朝からずっと雨。 しかも天気予報では明日の日曜も雨雨雨。ちぇ。どうせ雨なら早い方が良い。 朝8時の段階でアメダス画像を見ると山梨県だけ降水量0だった。ということは、 昼くらいには東京が小やみ状態になると見た。よっしゃ行ってまえ。
日比谷線直通電車で竹の塚を目指す。日比谷線には何度も乗っ ているが上野から先には一度も行ったことなかったな。どうでもいいが、すげー えええーーー遠い。めっちゃ時間かかる。うー、我慢できねー。
おちっこ…
思わず勝手知ったる秋葉原でトイレ休憩 ^^;。ふう。結局次の電車が 東武動物公園行きだったので時間ロス無しで竹の塚に到着したが、まるまる一時 間半も乗ってた。遠い。
ようやくモータースクープ 到着。店内に入るとあったじぇ Kondara号 。ちょうど最後の仕上げのワックスがけで 磨いている ところだった。 さそりにもこういう時代があったなあと 思いつつ、いきなり雨デビューとなる身を思って 完璧にきれいな姿 を 撮っておいた 。
乗ってみての印象など。
思ったより高くなかった。サスのへたったFireBlade(シート 高810mm)から、サスが新品状態の815mmのR1に乗り換えるので結構苦労す るかと思ったらそうでもなかった。もうちょい高くても平気。あ、身長 163cm。
うむ、いい。FireBladeはちょいと高いと感じてた。ハンド ル低くて前傾きつくて苦しいかと思いきや、コンパクトなので手がより近 くに位置することになって却ってこの方が楽。
街中を慣らしで走ってるからたいして分からないが、最初に思ったの はものすごくセルフステアが強いということ。もしかしたらデフォルトで ついてるメッツラーの性格なのかもしれないが、すり抜け程度の速度でわ ずかに車体が傾いた状態でもどんどん切れ込んでく。あたかも、
まっすぐ走ってんじゃねえボケ
と怒られているかのようである。さらにメッツラーのプロファイルが
結構平ら(尖ってない)なのでちょっとしたわだちの突き上げを食らいやす
く、セルフステアの問題と重なって結構すり抜けでまっすぐゆっくり進む
のが難しい。その点FireBlade(+D207)は超低速時の安定度が抜
群で非常にすり抜けしやすかった。
(以上2000/5/20記)
なんてこといってたら、割とすぐに急激なステアが消えた。単にフロ
ントタイヤの中央部以外の皮剥きができてなくて弱バンクあたりのタイヤ
摩擦が弱くてすっとステアリングが持ってかれちゃったとかそういう問題
だったのかな。あと、慣れもあるとは思うが。すり抜け時の直進安定性は
良い。メッツラーのプロファイルの問題で轍の影響を受けやすいのは変わ
らないが。
(2000/5/28)
なんてこといってたら初回オイル交換&点検のときにタイヤ空気圧
が結構低いですねといわれた。がびーん、たんに空気圧が低いのでステア
リングがしっとりとしていたに過ぎなかった。新しいバイクだから、感じ
るもの全てが新しいのかー、と思っていたが違ったのか ^^;
(2000/6/1)
'96FireBlade(183kg)と同じカテゴリやね。177kgはとくに軽 くも重くも感じない。ただ、オイル容量がFireBladeより1リッ トル以上少ない。それゆえ乾燥重量では'96FireBladeより6kg軽 いだけだが、「車重」が190kgで、FireBladeの200kgよりも10kg も軽い。とはいえ、取り回しのときもそんなに差は感じないけど。
まだ5000rpmまでよ。率直な感想としてはこれまでの
FireBladeに比べた表現では、「900ccを1000ccにして中古を新
車にした感じ」である。ってそのままやん。低回転域は
'96FireBladeを微妙に太らせて、スムーズにした感じ。それほ
ど明確に感じる差ではない。
(2000/5/20記)
だんだんこなれて来てトルクの出方もスムーズになって来た。が、ひ
とつ気になることがある。1500rpm以下のトルクがスカスカなのだ。スカ
スカというかノッキング気味になったのを2000rpmまでひきずっちゃう感
じで、ちょっとのんびり走っててコーナーで回転が1500rpmまで落ちちゃ
うとエンストしそうな雰囲気になって結構恐い。そんな低回転使うなっ
ちゅー説もあるが、FireBladeは文句いわずドリュドリュと加速
したもんなあ。R1も1000ccなんだからその辺たくましくあって欲しい。逆
に2000rpmを越えると急激に元気になるのできびきび目に発進しようって
ときに途中からドンと押されたように出ちゃって落ち着かない。
(20005/28記)
2000年モデルでローのギア比だけを少しロングにしたとあったので、 よほどローがショートすぎるのかと思ったがそうでもなかった。ローとか はそのままで良いのだが、トップ(6速)がショートすぎる。3000rpmで 72km/hなのだ。ZZ-R 1100[D]やFireBladeは3000rpmで80km/hと いうレシオなのでこれよりはロングであって欲しかった…。高速道路とか ちょっとつらそー。燃費悪そー。
あとエンジンの項目でも触れたが、1500rpmあたりのトルクが弱いので その辺でクラッチをつなぐことが難しい。静かに発進するのがかなり難し い。じゃあ2000rpmあたりでつなげば…って思うのだが、2000rpmからは一 気に吹け上がってしまうので気がつけば3000rpm回す「ちょい気合い入れ スタート」になってしまってバツが悪い。「雨の日のまだ完全にエンジン の暖まっていないときに、鉄板を跨いで曲がりながら上り坂に向かって発 進」なんてことをやるのはとても難しい。
でも、毎日毎日2000rpm目指して発進してたら、だんだん慣れて来たよ。
人間ってえらいねえ
(2000/6/10記)。
'99モデルでシフトフィールを良くしたということだが、なんか、タッ
チが押しボタンみたい。ONとOFFが押す度に「クチッ、クチッ」って切り
替わる押しボタンあるやん。あんなタッチでさらに、シフトチェンジのス
トロークが小さくてさらに結構重い。改善されたフィールがこんなんなの
かなーと思いつつも、さそりのと
きも最初はガチャボコと変な音がしていたのを思い出す。そのうち気持ち
良くなるに違いない。
(2000/5/20記)
最初のオイル交換後、ばっちり滑らかになった。短いストロークでしゃ かしゃかとギアが変わって結構快感。これなら大丈夫。 (2000/6/10記)
ちと重いけどまあなんとか。アジャスタが手で簡単に回せるタイプな のでちょっと嬉しい。
キュンキュンに効くのかと思ってたらそうでもない。良かった。安心。
時計がついてるわーい。これで100円のショボショボ腕時計をつけなく て済むぞ。でも、警告灯の類が
しかない。しかもちっこい。
見えりゃいいだろ、文句いうな
といわんばかり。意外だったのはライトのON/OFFスイッチがあったこ と。便利。でも車検のときはOFFにならないように詰め物をして通すべし、 との事。
スピードメータはkm/hとmphの切替えができるが距離計は全てマイル表 示(イギリスモデル)。給油タイミングが把握しづらいかな。まあ慣れちゃ うだろうけど。
明るくねーーっ。'96FireBladeと同じH4デュアルでこうも違 うか。バルブを高効率タイプに換えよう。換えてもそれほど明るくならん だろうなー。
「したけりゃすれば?」という感じ。とはいえ、FireBladeと 大差無さそう。こういうリアシートの高い方が乗りやすいって人も結構い るはず(2000/5/20記)。
と思ったが、実際タンデムしてみると、シートベルトがちょうど御尻
にぶつかって痛くって話にならないらしい。そうなのか。
(2000/6/10記)
ホンダとヤマハの違いをここで実感。FireBladeに付いてい た工具は「安物の工具」というレベルなのだが、R1に付いてるのは組み立 て式家具を買ったときにおまけで付いてくる工具((c)by loony)に毛の生 えたレベル。スパナ(に似た道具^^;)もサイズがきちんと合ってはいなく て、あれじゃ舐めちゃう。リアサスペンションのプリロードをいじる引っ かけ回し工具など、品質はホンダのものと同じなのだが、湾曲がサスペン ションの棒の半径と合っていないので回そうとするとグラグラする(ホン ダ付属のはRが合ってるからグラ付かずに回せる)。かといって全部が全部 付録レベルの工具かと思えばまともなレベルのものもあったりして、良く 分からん。
開き角が大きく、わし的に低くてちょうど良いステアリング。コンパク トなポジション。アクセルON/OFFに瞬時に硬く反応するエンジン。開ける と「ブヒー」と聞こえるエンジン音。どことなく、VFR(NC30)に似ている。 NC30を二回り大きくしてエンジンも二回りたくましくしたようなそんな感 じ。NC30をとても気に入っていただけにKondaraも楽しめそうだ。
やっと遠慮無く開けられる。うりゃっ、と開けるとすぐにフロントが ピョコン。んがー、過激なレスポンスだ。でもローで引っ張ると(まだ 8000rpm 位しか回してないが)思った程加速を感じない。おそらく2000rpm からずっと分厚いトルクが続くのであまり「加・加速感」を感じないから だろう。その分、2速だとトルクも余ってるしスピードの乗りが速いので むちゃくちゃ速く感じる。こんなに要るのかね? 要らないねえ。って、そ れ言っちゃったらおしまいで、どんな大型二輪だってそうなんだけどさ。 まあ、そういう優秀すぎるエンジン設計のおかげで、普段良く使う 3000rpmくらいもぶっとくて嬉しいのは紛れもないおいしい点なわけで、 そこを毎日使わせてもらえれば高回転域なんて年に2〜3回、数秒だけしか 使わなくっても全然「もったいないオバケ」は出ないよ。
なんにせよ、高いギアでもグイグイ進む、というこの感触はNC30に乗っ たときからの理想のエンジンであり、非常に満足。
6速がショートなのは気に入らないが、そのおかげで街中6速のままでがんが ん加速できるので楽と言えば楽。隣が中型スクーターでも平気だ。逆にロングツー リングのときにショートすぎるギアが気になるかと思ったら、エンジンが非常に 静かなのであまり回しているような気がせず、結果として落ち着いたまま走り続 けることが出来て楽である。
コンパクトなポジションと、ちょうど良い前傾姿勢のおかげでロングツーリ ングが非常に楽(FireBlade比)になった。FireBladeのときは FireBladeなりにかなり楽だと思っていた(実際ツーリング先の宿で飲 み会の途中に眠くなることがなかった)のだが、R1はそれ以上に楽。たとえるな ら、ツーリングに楽に行けて楽に帰って来れるが、風呂から上がって溜っている メイルを読んでいる途中でうとうとしちゃうのがFireBladeで、メイル を最後まで読んで返事まで書けるのがR1と言ったところか。微妙な差だが、翌朝 普通に起きられるのがR1。
ちなみに、長距離走りたいなら前傾姿勢を選べというのが持論。直立姿勢は 上半身の重心が腰に一点集中するので椎間板に負担を掛けてしまいがちで、一度 腰が痛くなり始めるとそれが治るのは何日かかかるし、痛さをかばうために姿勢 に無理が出て来て結果として全身の筋肉が疲労してしまう。逆に前傾の場合は重 心が脊椎にかかることはないので椎間板に負担がかかることはない。そのかわり、 背筋に負担がかかるのだが、長期間乗っていればそれなりに背筋が強くなるので 実際のところあまり辛くない(みんな背筋がつく前に諦めてしまうからいかんの だ。また、レースをするのでないのだから手首にも少し重心を掛けて乗ってしまっ て構わず、その場合、背筋、手首、尻で重さを平均的に負担することになるので 致命的に痛くなることがない。手首に重さ掛けちゃって「手首が痛いよー」とい やがる人もいるが、手首は朝起きれば回復してる。腰がいたいのは一日じゃ治ら ない。
などの観点から、R1はかなりベストに近いライディングポジションだと思う。 ロングツーリングに行く前は、それなりに「月曜がつらいかなー」などを考えて しまったものだが、R1にしてからはそういう警戒心を抱くことがなくなった。こ れはすごいことだね。どこにでも行きたくなるとはこのことだ。10万kmを目指そ う! と本気で思い始めた。
参考 OWNER'S MANUAL
項目 | 1999年モデル わしゃこっち | 2000年モデル |
---|---|---|
全長(mm) | 2035 | ← |
全幅(mm) | 695 | ← |
全高(mm) | 1095 | ← |
軸距(mm) | 1395 | ← |
最低地上高(mm) | 140 | ← |
シート高(mm) | 815 | ← |
乾燥重量(kg) | 177 | 175 |
エンジン形式 | 水冷4スト並列4気筒 DOHC5バルブ | ← |
総排気量(cc) | 998 | ← |
ボア×ストローク(mm) | 74.0×58.0 | ← |
圧縮比 | 11.8 | ← |
最高出力(ps/rpm)DIN | 150/10000 | ← |
最大トルク(kg-m/rpm)DIN | 11.0/8500 | ← |
パワーウェイトレシオ(kg/ps) | 1.18 | 1.17 |
燃料タンク(l) | 18(うちリザーブ4) | ← |
変速比 1速 | 2.600 | 2.500 |
2速 | 1.842 | ← |
3速 | 1.500 | ← |
4速 | 1.333 | ← |
5速 | 1.200 | ← |
6速 | 1.115 | ← |
減速比(1次/2次) | 1.581/2.688 | ← |
キャスター/トレール | 24°/92mm | ← |
タイヤサイズ(前) | 120/70ZR17 | ← |
タイヤサイズ(後) | 190/50ZR17 | ← |