Last modified Sun Feb 4 23:17:02 2001 on firestorm
帰り道、これじゃ数回では絶対受かるわけないなあと思ったので、教習所 にちょっとだけ行こうかなと思ったが、一緒に行った友人が「今日はまだ一 回目だし、審査だけなら安いもんだから、教習所は 五回受けてだめだったら考えよう」という。確かにお金がもったいないし、 目標回数は五回だったので思い留まった。よし、とりあえずの目標は、三 回以内に完走、かな。
今日はほとんど誰も完走しないなあ。二人前の29番の人が調子良さそう。 あの人他の人と違って左ウィンカー出してから左折するまでは左後方確認 (巻き込み確認)はしていない。しなくていいってことなのかなあ。あ、29 番の人完走。よし、わしも左確認はやらないで走ってみよう。
それ出番だ。出発時に右ウィンカーを忘れそうになってしまった。 あぶ なかった。最初のバックストレートで気合をいれて加速。ふーん60km/hっ てかなり速く感じるな。で、坂道で止まって番号名前生年月日をいう。おっ と、この前はシールドを閉め忘れて途中で閉めたのが、今日は忘れずにシー ルドを閉めてから走るぞっと。坂道発進してインコースべったり(以後イ ンベタ)に気をつけ、進路変更もヤケ気味にグイグイやることにした。あ かん、いきなり無線で「ああそこ、二速まで入れてね」と注意される。こ んな短い直線なのに…
途中通過する短い直線も気合入れて加速して急制動へ。前回はスピード出 しすぎてパイロンの手前でちょびっとブレーキかけてしまったので今回は 45km/hをキープ。なんだすげー遅いじゃん、楽勝で止まれそう。余裕から か止まる時に反射的にローにシフトダウンしてしまった。まいっか。メイ ンストレートを横切る時にローでダッシュ、すぐ左折しなければならない がやけくそで二速まで入れてすぐにシフトダウン。おっとおかげで一本橋 に対して少し斜めになってしまった。
一本橋。前回8.4秒だったので、今回はエンジンふかし気味にして半クラ& ブレーキで安定させようと試みた。残り1.5m、頭の中でのカウントが8秒 に達して、よし行けると思って油断したら左に大きく傾いた。やばいぞっ!! 落ちるうううう! そこからダッシュして橋を通過。助かり。橋を降りる 時の左右確認も忘れなかった。でも、めちゃめちゃよれよれになってしまっ た。いかんなあ。この前と同じようにこの辺で中止になってしまいそう、 しくしく。
次スラローム。良かった走らせてくれた。恐くてブレーキを使いすぎてる 気がする。ちょっとふらふら気味である。むう、これは次までに練習して おかねば。
次障害物回避。これもグイグイ進路変更。よけ終わって左に戻る時の左確 認はしたが、左折合図と左折の時の安全確認は何もしない。ほんとになに もしなくていいのかなあ。不安。
初めての波状路。げげっ、これ鉄板なのでタイヤが滑べってハンドルが左 右に大きく揺れてしまう。結構難しいんだなあ。左折。ああインベタがで きなかった。徐行路、たらたら走る。こういうの好き。バックストレート、 それぶっ飛ばせ。
踏切。簡単。でも二回連続左折が控えているので緊張。ああダメ、またま たインベタできずにふくらんでしまった。8の字走行。半クラで行けば簡 単。あれれ? これ終わったらクランク入っておしまいじゃん。完走できちゃっ たらどうしよう:-)
クランク。こいつを出て何も言われなければ完走できるってことかな。早 く何か言ってよ、心臓に悪い。最後に外周に出て、ホームストレートへ。 あらら、完走できるかもしれない。一回目の審査の時に一緒に来てアドバ イスをくれた人が限定解除した時には、最後のホームストレートで50km/h ぴったりでないのが原因で落とされたと言っていた。さらにその人は、± 1km/hくらいでないとやばいよと言っていた。しかし慣れない750ccマシン の3速で50km/hキープは超難しい。おっと、53km/hになってもうた。スピー ド調整したい時に進路変更しなければならず右確認。メーターを見ると 45km/hに落ちてる。ががーん! せっかくここまで来たのに大失敗である。 でもまあ途中のミスが多すぎたな。完走できただけで良しとしよう、完走っ てのは三回目までの目標だったし。次までに低いギアでの50km/h キープ も練習しておかねば。
高台の見物席に行ってたむろしている人達と話す。「完走できちゃいまし た」と言うと、「合格するかもよ」と言われたが、無理無理。ヨレヨレだっ たもの。さて発表。第4グループ20人、「合格者は2名います、○○さん、 広瀬さん」… 「げげげげ、まじすかまじすか?? ラッキーすぎる。あんな んで受かってしまうのか!? 甘々だなあ」 と同時に、「なんか、つまんな いぞ、これじゃノウハウがさっぱりわからんじゃんか」とも正直思った。 実はWWWのこのページにいろいろ体験談やコツを載せること自体も楽しみ の一つだったのに、今日受かってしまうと何が良くて何が悪いのか謎に包 まれたまま終わってしまうことになる。さらには、一回目二回目で試験場 で知合いなった人達や、とりわけ、限定解除なんて全然するつもりのなかっ た私に一緒に受けようと誘ってくれた友人になんだか申し訳ないような気 がしてならなかった。
受かった二人は最後まで残されて、最後に「じゃ、まだまだ腕が良くない ということを忘れずに運転して下さいね」とかなんとかいうコメントとと もに、裏に「自二車限定解除」というスタンプの押された免許証を受け取っ て解散。あっけない。ほんとにこれでいいのか? でもうれしい。大学受かっ た時の10倍はうれしい。二発目の今日受かろうなんて全然考えてなかった し、結構落ちる自信はあった(なんじゃそりゃ)から、ほんとに「あんびりー ばぼー」だった。
それから急制動したあと、ホームストレートを横切る手前の一時停止場所 がありますが、そこに別のバイクがいたら急制動位置に留まって前のバイ クが走り去るのを待っていなければなりません。
実際今回の走行でも自分で特徴的だったと思うのは、
そもそもバイク自体要らんのだ。物事、要る要らないで判断したらおしま いや。じゃろ? 乗りたいと思う、そういう気持ちがあればそれで十分。
これは、おちゃらけた話ではない。真面目な話これ重要。警察でくれる大 型自動二輪の取り方とかいうガイドブックにもそう書いてあるのだ。良い か、どんなに自動車の運転がへたくそなやつでも、金がダブついてれば無 駄にでかい車、無駄に速い車に乗ることが出来るんじゃ。そういうやつに は、真の意味での自尊心ってものがないから、でたらめな運転をする(や つが多い)。だから困る。じゃが、無駄にでかい自動二輪は違う。もちろ ん金も要る。金も要るがそれ以前に人並以上の技能を要求される試験をパ スするという試練がある。それを乗り越えるにはやはり、バイクという乗 物や運転について一度はちゃんと考える必要がある。真面目に取り組む事 の出来たやつには特権が与えられる。それが大型バイクである。今でこそ 慣れてしまったが、最初 FireBladeに乗ったとき、
大型バイクは高いもんな。そう簡単には買えない。じゃが、財産なんて増 えたり減ったりするから、いつか買えるときが来る。たぶん。反面君の体 力と運動神経はこれから先減る一方だ。免許は体力と運動神経で手に入れ るものじゃないが、これから受けようというときに体力と運動神経に自信 がないと受けようという気力に影響が出る。今のうちに取っておけ。取っ たからって必ず大型に乗らなきゃいけないなんてことはない。免許持って るだけで気分が違うぞ。ちっこいのを運転してても優越感が得られる。え ばれるぞ。なんか不純に聞こえるじゃろ。じゃが安心せよ。君がもし試験 に合格できたなら優越感を持ちつつも謙虚でいられる資質があるというこ とじゃ。もし今君が大型二輪免許が欲しいと思う動機が不純でちょっとな あ…と感じていたとしても、免許を取得した暁には自信と謙虚さをバラン ス良く持ちあわせられるようになっているはずだ。自分を信じよ。このペー ジをここまで読んだ、熱意のある君ならじゅうぶんに真摯な態度でい続け られる。なに、暇だから読んだんけ? じゃあ受けるな。うそ。
当り前だが受けるやつのレベルに依存する。普段あんましバイクに乗って ないやつにとっては死ぬ程難しいだろうし、毎日ばりばりに乗りまくって るやつにとっては全然難しくない。そういうレベルである。
合格率が10%とか極端に低いのはサンデーライダーとか、普段あんまり乗っ てないやつがノコノコ試験を受けに来て、そういうやつが落ちまくってい るからである。いっぺん試験場に行って試験の様子を見てくるが良い。 「たのむからそんな状態で公道を走らんでくれ」ってやつがうようよして いる。安心するぞ。「あれなら普段のわしのほうがうまい…」そう思える はずだ。思えなかったら普段もっと乗れ。見ていて普通に乗れてるなって やつは全体の五分の一くらいしかいないのでびっくりするぞ。そのうち半 分がノーミスで合格する。だから実質合格率は50%程度だと思って良い。
じゃが最近(1997)だと見学しにいってみんなうまくてびっくらこくことが あるらしい。それは、指定前教習(教習所が大型二輪を教える資格を得る ために受験者にみっちり練習させるやつ)を受けてるやつらが団体で受け に来ることがあるからである。そういうやつらはそのままサーカスに出ら れるくらい訓練を積んで来ているのでうまく見えるのは当たり前なのだ。 あんなにうまくなる必要はさらさらない。安心して良い。
金と時間があるなら練習場に行って乗るが良い。金がもったいないと思っ たら行かんで良い。はっきり言って行かなくても受かる。ただし、自分の バイクに毎日ガシガシ乗ってるやつに限る。たとえ250ccでも良い。乗り まくってシフトチェンジもブレーキングも自分の手足を操るように出来る レベルになるべし。スラロームなんか出来なくって良い(ちなみに私も出 来ません、えへん!)。普通に無意識のうちにシフトチェンジできて、ロッ クせずに急ブレーキかけられて…、そういう日常走行レベルで十分なのだ。 それを運動神経にたたき込め。で、普通はそういうレベルに達しているや つが限定解除しに行くのが道理なのだが、実はそうではないらしい…。
もし自分のバイクがなければ、しょうがない。諦めて練習場に行きたまえ。 でも道は長いぞ。バイクを手足のように操る基本が出来ていればスラロー ムなんてのは半日もあればできるようになる。でも、基本が出来てないの を作るのはかなりかかる。立てる赤ちゃんが歩けるようになるのはすぐじゃ が、立てるようになるまでには長い年月が要る。それとおなじ。
手足のように操れるレベルにあればたとえどんなバイクでも文句を言わず 乗れるはずだ。友人にボロくてとても乗りづらいバイクを持ってるやつが いたら乗らせてもらえ。そして乗りこなせ。左手にクラッチ、左足にギア、 右手にスロットルとフロントブレーキ、右足にリアブレーキがついてるマ シンならどれでもいいやって思えるようになるまで毎日乗れ。
何か自分を動かすものを作るべし。友達と一緒に受けに行くとか、大型免 許取ったらなにかちょうだいとか、乗りたい大型バイクを高校生のように 毎日眺めるとか、自分を駆り立てる外的要因を作ると良い。誰でも最初は 「大型免許なんて…」と引いてしまう気持ちがあるものだ。それを払拭す るなにかがあればあとはスルスル行けるものである。
「夏までに」とか、「5回以内で」とかリミットを設ける必要は無い。焦 りは禁物。別に事前審査の期限が切れたっていいじゃないか。どうせタダ なんだし。試験日に別の用事があったら休めばいいんだ。また暇な日にキャ ンセル待ちに行けばいい。気楽に行け。
とりあえず手足のように操れることを前提として話をする。普段乗ってい ると自己流の癖が付いているはずである。しばらくは矯正しなければなら ない。クラッチもフロントブレーキも4本指で握る。シフトアップが終わっ たら左足はギアの上に戻す。右足も進行方向にまっすぐ置く。安全確認は できるだけ首を動かして。車線変更は明確に。左折するときはインコース にピッタリ寄せて行なう。普段無意識にしていることだけに、こういうの は付け焼き刃では治らない。しばらくは公道上でも教習所的模範走行を続 けておけば試験のときにこういう下らないことを気にしなくてすむ。
バイクの基本操作を含め、上記のような無意識レベルの動作が体に染み込 んでいればもう何も要らない。合格は目の前だ。事前審査を受けにゆけ。 下地が出来ていれば一本橋だのスラロームだの波状路だの、そういう曲芸 的な技は半日もあれば体得できる。今出来ないことを気にする必要はさら さら無い。「なんとかなるに決まってる」と思い込め。一本橋を練習しま くってもプレッシャーに負けて落ちるやつだっていっぱいいるんだ。へた くそが開きなおってラッキーで落下せずに8秒で通過できたっていうほう がえらいんだ。
試験を受けることになったら情報を収集せよ。このページの前半などを見 ると良い。